2008年9月13日土曜日

Humble Pie

Humble Pie "King Biscuit Flower Hour: In Concert"

K島です!

このアルバムをなんと言えば良いのか。
「見たマンマ」超王道ロック。

ロックンロールと言えば、必ずビジュアルや知名度が付き物であり、
「『誰々の××』というアルバムはロックしてるわ〜」という言い方があり、そこには
「誰それのプレイが云々」という主体が付くのが普通である。
所謂アーティストの世界観がロックなのであり、そのキャラクターにロックを感じるのである。
しかし、このアルバムはそういう次元でのアルバムではないのが確か。

ちょっとそれを説明するための具体例を出してみよう。

その1:「白松がモナカ」という看板を阪急京都線に乗っていたら気がつく人がいるかと思う。
この「が」は「我が国」「オラが村」としての所有格としての意味で使用している。
「Humble Pieのロックアルバム」という言葉。これを先の言葉に使うと
「Humble Pieがロックアルバム」
これは上記の所有格としての「が」であるとともに、主語の「が」としても通用する。
そしてさらに主語述語を逆転させてみる
「ロックのHumble Pie」
「ロックがHumble Pie」
これまた通用する。

その2:もし大学試験に、就職試験に、お菓子の懸賞クイズに、ベネズエラの入国審査に、「ロックとは?」という問がでたら
「Humble Pieのこのアルバム」と答えよう。
おそらく大学合格、就職内定、一等賞、永住許可証発行である。
どの世界でも「これはロックである」としか言い様のないロック。

その3:ウイスキー「山崎」ではなく「ヱビスビール」である。
ウイスキーのようなマニア向け、渋さではなく、ビールというポピュラリティ。
そして好き嫌いは別にして完璧に他のビールを引き離す濃い味。これぞ「ザ・ビール」

その4:天下一品のラーメン
残った汁にご飯を入れて食う人もいるぐらいのコク。そして分かりやすい味。
ダントツのネバネバラーメン「無鉄砲ラーメン」とかあるけど、あまりに好みが分かれるであろう。

だんだんわけが分からなくなってきた・・・。
70年代ロックの冗長性は無し。
ブルースの冗長性も無し。
ルーツミュージックを感じさせるような「いなたい」曲無し。
コンサートの中でクールダウンを称してテンションが下がる曲も無し。
何となく不良というイメージは無し。
神格化されることで許されるウチワ受け的な部分は無し。

無い無いづくしのロックの名盤である。